江戸時代より300年以上にわたり大切に受け継ぎ、守り続けてきた盛田の「豆みそ・赤だし」造りの伝統と技
- ■古来より食されてきた日本の伝統食「みそ」
- 主原料は大豆ですが、麹によって『米みそ』『麦みそ』『豆みそ』の3種類に大別されます。食塩の分量や、原料に対して使用する麹の割合、醸造期間によって味わいが『辛みそ』『甘みそ』に分類されます。 さらに原料の配合比率、熟成期間、大豆を蒸すか煮るかによる色の違いからも『赤みそ』『淡色みそ』『白みそ』と3分類されています。
- 「豆みそ」とは蒸した大豆を豆麹にして、塩水で仕込みじっくり熟成させた、濃い色と濃厚な旨味、独特の渋味と苦味をもつみそです。一般的に米みそと比較して塩分は低く、良質な大豆タンパクを多く含みます。愛知・三重・岐阜の3県を中心に生産されています。
- ■盛田の「豆みそ」造り
- 浸漬・蒸し
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原料の大豆を水洗いし1~2時間程度水に漬けて水分を含ませます。 一定時間蒸してから蒸気を止め、翌朝冷却した大豆を玉握り機で(直径約2.5cm×長さ5cm)に握ってみそ玉を造ります。 盛田はみそ玉を比較的小さく丁寧に造ることで、次工程の製麹において、麹菌がみそ玉の内部にまで働きやすくなり、まろやかな豆みそになるのです。
- 製麹・攪拌
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みそ玉の表面に麹菌をまぶし、30~35度位の温度に設定した製麹室で45時間ほど製麹させます。 途中、みそ玉を返しながらむらなく生育を進め、でき上がったみそ玉麹をつぶし、水と塩を適当な割合になるよう合わせて攪拌器にかけて混ぜ合わせ、もろみを造ります。
- 熟成
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もろみを木桶などの仕込桶に移し、布のカバーをかける等ふたをし、約1.5トンあまりの重石を乗せます。 1年から2年程度かけて熟成させてでき上がりです。
- ■豆みその天然醸造蔵
- 盛田の豆みそ造りは、人為的な温度調節を一切行わない伝統的な天然醸造製法です。愛知県知多半島にある盛田の小鈴谷工場には、木桶で豆みそを発酵・熟成させる天然醸造蔵があり、木桶は古いものでは江戸時代から修繕を重ねながら大切に使われています。古くから木桶に棲みついた微生物の力も借り、四季をめぐりながら時間をかけてじっくりと発酵・熟成された豆みそは、色と香りともに優れ、風味豊かなみそに仕上がります。
- ■盛田と「赤だし」
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固めて刻んだ豆みそを布で包み、出汁でゆすり出したものが赤茶色だったことが名前の由来だという説もある「赤だし」。主に、豆みそに米みそを合わせて仕立てる味噌汁のことをいい、もともと料亭などで供されていました。 盛田は、第二次世界大戦後の昭和29年に、元来、料亭の料理人自らが味噌をすり、豆みそと米みそを合わせていた「赤だし用みそ」を「赤だしみそ」として日本で初めて商品化しました。
「赤だしみそ」は、元々の用途としての味噌汁としてはもちろん、豆みそのコク・旨みと米みそのまろやかさをあわせもった味わいから、各種豆みそ料理にも幅広くお使いいただけます。